長身のキム・ダヒョンが登場し、柔らかな笑顔を向けると、本公演のセットリストから、『足を踏み出すことができなければ』（『ウェルテルの恋』より）『The Origin of Love』（『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』より）の２曲を披露。一気にキム・ダヒョンの世界に引き込む力はさすが。

リハーサルに続き記者会見がスタート。

―リハーサルで披露した2曲についての想いを

「1曲目は『ウェルテルの恋』から『足を踏み出すことができなければ』。１月に日本で公演した作品で、その時の思いが残っている曲なので選びました。2曲目は『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』から『The Origin of Love』で、韓国で100回以上出演した作品で思い入れがあります。特に20代の時には性のアイデンティティーについて僕自身も色々と考え、悩み、この曲を聴きながらたくさんの涙も流しました。そういう思いから、この作品の曲を選びました。」

―今回はミュージカルではなく、コンサートとしてステージにたつ心境は？

「今はとてもワクワクしています。　韓国で公演の準備をしながらも実感が沸かなかったのですが、今こうしていて、ようやく実感が沸いてきた気がします。　以前から日本で公演をしたいと思っていたので「ついにこの日か来たな！」という嬉しい思いです。皆さんと一つになって楽しみたいと思います。」

―選曲の基準は？

「観に来て下さった方もいらっしゃると思うので、日本で公演した『ウェルテルの恋』から、そして公演するにあたり沢山研究をしました『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』からも数曲選びました。日本版も観ましたが、解釈が少し変わっている点など新鮮で驚いたのを覚えています。韓国でヘドウィグを演じた俳優の中では一番美しい、と言われていました(笑)　その他は自分が演じた作品や、演じてみたい作品の中からも選びました。また「不朽の名作」というテレビ番組で歌った曲も入れてみました。」

―今年は日本で『ウェルテルの恋』、韓国で『Jack The Ripper』『太陽を抱く月』と話題作に続けて出演さしているが、ミュージカル俳優としての想いは？

「ずっとミュージカル俳優になることが夢だったので、今このように活動していることが夢を叶えられた～という気持ちです。ミュージカルというのは総合芸術で、歌って、踊って・・すべてのものをライブで、一度に見せられる、という魅力があります。自分もステージで楽しみながら、観客の皆さんと呼吸を合わせて、共感していくことができたらいいなと思っています。日本でこうして公演出来ることも嬉しいし、自分がこれから発展していくきっかけになると思います。
韓流というと、ドラマの俳優や映画スター、K-POPの歌手の方々の公演がメインだと思いますが、ミュージカル俳優がこのように日本に来られるのは、自分でも驚くべきことだと思っています。このご縁に感謝し、恩返しできる活動をしていきたいと思います。」

―今後日本でどのような活動がしたいですか？

「私は日本がとても好きなのだと思います。韓国のミュージカル作品だけでなく、日本のミュージカルにも出演してみたいです。お話を頂いているCDについてもミュージカル曲だけでなく、違うジャンルの曲で、ショーケースなどもやれたらいいなと思います。」

「演じてみたかった作品は『レ・ミゼラブル』のマリウス役です。若い役なので30代の私にはちょっと無理かな・・・と思いますが。でも外見は20代に見える～と言われるんですよ（笑）。その『レ・ミゼラブル』から『Empty Chairs at Empty Tables』を選びました。」

―今日はミュージカルの舞台とは異なりますが、どんな気持ち？

「ミュージカルは演技をしたり動きがありますが、今日は歌だけですので、どうしたらいいのか、実はまだわかりません(笑)。　今日の会場はマイクなしでも声を伝えられるような素敵なホールなので、歌う曲の何曲かはマイクを使わずに自分の生の声をお聴かせしたいと思っています。そして、小さな舞台なので観客の一人一人とアイコンタクトを取りながら楽しいステージにできたら、と思っています。」

―最後に一言

「今日はお忙しい中、来てくださって本当にありがとうございました。これからも頑張って活動している姿をお見せしていきたいと思います。」

『韓国ミュージカル俳優コンサート＆トーク』は第2回にはキム・ジェボム、第3回にはキム・スンデ＆チョン・ドンソクの出演が決定しています。