日本でこの春、映画2作品の公開を控えた俳優チュ・ジフンが来日。
3月30日、31日とファンやマスコミの前に姿を現した。
3月30日。
日本でも絶大な人気を誇るチュ・ジフンの映画主演第一作『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』ジャパンプレミアが行われる新宿厚生年金会館は平日にも関わらず早い時間から大勢の女性達で囲まれた。
会場に詰めかけたのは2000人! しかも20,000人の応募の中から選ばれたラッキーな人達だ。
イベント会場が暗転、スモークがたかれた暗い舞台中央のセリからチュ・ジフンが登場すると会場は地響きがする程の声援。カメラのフラッシュが激しく光る中、時折眩しそうに、そしてこの瞬間を胸に刻むように会場の隅々まで見渡すチュ・ジフン。スラリと長い身体にタイトめのスーツ姿がさすがに素敵だ。
続いて登壇したミン・ギュドン監督は「この瞬間を首を長くして待っていました。原作には深いテーマがあり、また繊細な描写、どんでん返しもあって楽しい映画になるな、と思う反面、映画化できるのだろうか?という思いもありました」と語り、 またチュ・ジフンは「他の3人と来たかったのですが一人でごめんなさい(笑)
初めての映画が日本で公開されるのはなんだか不思議な感じです。このシナリオを初めて読んで興味を持ったんです。心に傷を持ちながらも平凡に日常を過ごしていることにリアリティを感じました。」とそれぞれに作品に対する思いを語った。
撮影では夢で生クリームの海に溺れるシーがあり、全身を生クリームだらけに奮闘したが結局はカットされてしまったという苦笑エピソードも披露。それについて監督が謝ると「だいじょーぶ」と日本語で返すジフンに会場から笑いがもれた。
また劇中3000ピースのケーキが使われたが、少しのことで形が崩れたり、パサパサになってしまったり大変な苦労をし、俳優が「ケーキの準備待ち」なんてこともあったという。
その後スペシャルゲストとしてパティシエの鎧塚俊彦氏が劇中にも出てくるケーキ、“ガトー・オペラ”を特別に用意し登場。監督、ジフンに切り分けられたが、ジフンが口に運ぼうとした途端、監督が「ダメ!」と止めるという一幕も。映画の中でジフンが演じるジュニョクにその理由があるようだ。すでにそれを知っている?ファンは大爆笑。ジフンはケーキを前にお預け状態で終わってしまった・・・。
最後に「誰もが心に傷を持ちながら生きていると思いますが、その救いになるような映画です。ささやかな慰めを感じてもらえればうれしいです。」とメッセージを送りその場を後にした。
『アンティーク ~西洋骨董菓子店~』
4月18日(土)より 恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町1丁目ほか全国順次公開
配給:ショウゲート
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続く31日
都内ホテルで映画『キッチン ~3人のレシピ~』 記者会見に主演のチュ・ジフンとホン・ジヨン監督が出席した。
『キッチン ~3人のレシピ~』 は輝く太陽の光と瑞々しい緑、美味しい料理と優しい感情に満ちたキッチンから生まれる、二人の男性と一人の女性の新しい感覚で描かれたトライアングルラブストーリーだ。
劇中チュ・ジフンはフランスから来た自由奔放な天才シェフ、ドゥレを演じる。
「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」でみせた心の傷を隠し明るく振る舞う、そして時には皮肉屋で口が悪いジュニョクとは全く異なったキャラクターだ。
昨日のダークなスーツとは変わって春の空色のようなジャケットに身を包んだチュ・ジフンとホン・ジヨン監督が着席すると早速に質問が。
―まずはチュ・ジフンに対し、続けて公開される主演第一作「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」のジュニョクと全く違うドゥレとの演じ分けについて
「たまたま二つが同じ時期に公開されますが、同じ時に演技をしたわけではないので特に差別化の意識はありませんでした。シナリオをみて感じるままに、監督が伝えたいメッセージを念頭において演技をしました。」と答えたチュ・ジフン。
この「キッチン」の撮影現場にはピクニックに行くような気持ちで向かった、という彼は演技者としていい意味で肩の力が抜けたのかもしれない。
―このシナリオを読んだ時、『20代前半の自分にそっくり』と感じたという彼にその点について。
「以前は感情表現がストレートな部分があり、小さなことに幸せを感じる点が似ています。またエネルギーに溢れていました。」
この作品の完成までに5年の月日を費やしたというホン・ジヨン監督は、美術面に関しても繊細なこだわりをみせた。前回来日した際に見て回った、表参道や代官山の影響が映画の中の空間や小物に表れている。「日本で目にした物は本当に自然に受け入れられましたし、この映画の静かでゆっくりとした雰囲気は、日本の映画に通ずるのではないかと思います」と話す。また、監督の好きなシーンについては
ドゥレとシン・ミナ演じるモレとのラブシーン、駐車場でドゥレがセレナーデを歌うシーン、家の中でモレが寝ていて男性二人が会話をしているシーン、最後にドゥレが飛行機の座席でむせび泣いているシーン、をあげた。
その中のセレナーデのシーンではチュ・ジフンもかなり苦労したようだ。
「いきなり監督から「歌ってね」とMP3を渡されましたが(笑)「到底無理!」で最終的にフランス語の先生に来て頂き撮影をしました。・・・・が結局はアフレコで声を後から取り直しました・・・。と苦笑いで話した。
―天才シェフを演じたチュ・ジフン自身の料理の腕前について
「僕は天才ではありません(笑)フランス料理を習う十分な時間はありませんので包丁さばきや手の動きを習いました。一人暮らしが長いので韓国料理全般はだいたいつくれます・・・・あ、科学調味料は使ってしまいますが・・・(笑) 問題は後かたずけですね(笑)」と答えた。
最後に「キッチンの公開は5月30日です。 この時期は楽しいこと、新しいことを探している時期。こんな良い時にみて頂けると、自分達が生きている小さなことでも輝いて、また日常はささやかなことでも美しい・・・と感じて頂けると思います。」とチュ・ジフン、続けて監督が「正直な恋愛感情は、日本でも韓国でも共通するものです。この映画が日本でも静かに流れ、輝かしいものに育っていけば嬉しいです」とメッセージを送って会見が終了した。
『キッチン~3人のレシピ~』は5月30日(土)よりシネカノン有楽町2丁目、ヒューマントラストシネマ文化村通り、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。 配給:ショウゲート
2009.4.4
[ 記事 Epoch-Entertainment / Suzuki.E ]
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